夫婦別姓に関する考察~商業登記簿上の旧姓表記について~ | 広島の司法書士めぐみ法務事務所  

夫婦別姓に関する考察~商業登記簿上の旧姓表記について~

夫婦別姓に関する地裁判決「現行制度合憲」

2019年3月25日、「サイボウズ」の社長らが起こした夫婦別姓についての裁判で、東京地方裁判所は「現行制度合憲」との判断を示しましたね。
夫婦別姓については、ここ二十年程度の間に制度の創設を求める声があがっています。特に、仕事上で旧姓使用を続けたい、という方は多くいらっしゃると思います。実際に旧姓使用を認めている職場もありますよね。ちなみに司法書士や弁護士は、旧姓使用が認められています。「○○司法書士事務所」というように、名前を看板名にする司法書士が多いので、姓が変わることは結構重要な問題なんです。
商業登記でも、平成27年2月から、商業登記規則の改正により、旧姓表記と現在の姓が併記できるようになりました。

商業登記簿謄本の役員欄に旧姓表記を併記することができます

商業登記規則改正により、創設された条文は下記のとおりです。

(役員等の氏の記録に関する申出等)
第八十一条の二
設立の登記、清算人の登記、役員(取締役、監査役、執行役、会計参与又は会計監査人をいう。以下この条において同じ。)若しくは清算人の就任による変更の登記又は役員若しくは清算人の氏の変更の登記の申請をする者は、婚姻により氏を改めた役員又は清算人であつて、その申請により登記簿に氏名を記録すべきものにつき、婚姻前の氏(記録すべき氏と同一であるときを除く。)をも記録するよう申し出ることができる
 
少し読みにくいですが、婚姻で氏が変わった役員は、現在の姓に加えて、「旧姓も一緒に登記してください」と申出することができるという意味です。
この申し出を登記申請の際に行うと、役員名の後ろにカッコ書きで、旧姓が記載されます。
取締役  〇田〇子(×島〇子)

「〇田」の部分が本名「×島」の部分が旧姓です。
この登記を行うことで、例えば旧姓で仕事をしている役員の方が、会社の代表者として何らかの取引をする場合に、商業登記簿謄本が本名と旧姓の繋がりを証する書面となります。

職名を使用していることの証明は意外と難しい

上記の制度は、旧姓使用の役員が思わぬところで不便を感じないようにする一つの手段ですので、旧姓を職名として使用されている役員の方は、申出を行なっておくとよいと思います。旧姓を使用することで不便なのは、「旧姓と本名の繋がりを証する本人確認書類がない」という点です。
特に、司法書士や弁護士など、士業で旧姓を職名として使用していると、どうしても二つの名字を使い分けなければならない場面に直面します。もちろん司法書士会や弁護士会で職名を使用していることの証明書を出してもらえますが、あくまで「司法書士会」、「弁護士会」が発行した書類であり、官公署発行のものではないため、本人確認書類にはならないのです。
ですので、職名を使用している士業の先生に本人限定受取郵便を職名宛に発送すると、郵便局が宛名(旧姓)と本人確認書類(本名)の繋がりが確認できず、本人に手渡してもらえない、という落とし穴に遭遇したことがありました。
まだまだ整備されるべき機関がたくさんあるように感じます。
なるべく新しく利用できるものはこちらで発信していきますね。

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