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古い抵当権の抹消手続きは困難な場合も
明治、大正の時代に設定された抵当権が登記簿謄本上残ってしまっている場合があります。このような古い担保権は、お金を貸した側と連絡が取れなくなっていたり、会社であれば消滅等していて、債権者と債務者が協力して抹消登記を申請するということができないことが多くあります。
実際に使える方法は2つになります
債権者と協力して登記が申請できない場合の方法は不動産登記法70条に規定があります。次の①~③がその規定にある方法です。これらに加えて一般的に裁判所の判決による方法(④)があります。
①公示催告を利用又は除権決定を受ける法
②受取証書を提出する方法
③弁済供託を利用する方法
④判決による抹消登記をする方法
しかしながら、①は裁判所を経由する方法で利用が簡単ではないこと、②は受取証書(弁済を証明する書類)を受け取っている場合がほとんどないことから利用されていません。不動産登記法70条で利用されているのは③の弁済供託をする方法です。
債権や利息の金額が小さい場合には供託所に供託する金額も小さいため(数百円~数万円程度)、弁済供託手続きを利用して古い抵当権を抹消することが可能です。
供託金の金額が大きいときには④の判決による抹消登記をする方法を採用することになります。
すなわち、実際に古い休眠担保権の抹消で利用されているのは、③か④のいずれかの方法ということになります。
弁済供託による抹消登記をする場合の注意点
弁済供託を利用して、担保権を抹消する場合には「登記義務者の所在が知れないこと」が手続きの要件となっているのですが、これが一筋縄ではいかないことがあります。また、登記添付書面と司法書士に求められている調査行為にズレがあるところなので注意が必要です。
連絡の取れない債権者が個人の場合
連絡の取れない債権者が個人の場合、その住所を調査し、郵便を送ります。この郵便が、宛所不明で返送されてきたら、登記義務者の所在が知れないことの証拠資料としてこの書面を添付します。単純に郵便物が返送されれば良いというわけではなく、司法書士は住所について十分な調査をし、仮に相続人が判明したときには、登記義務者たる相続人と協力して抹消登記を申請しなければなりません。相続人がいる事実を認識しているにも関わらず、債権者が行方不明であるとの取扱いをしたときには、懲戒処分の対象とされるおそれがあります。
連絡の取れない債権者が法人の場合
債権者が法人の場合には、登記簿が廃棄(閉鎖から20年経過。(商業登記規則第34条第2号))されている場合に「所在不明」と認めてもらえます。閉鎖登記簿等が取得できる場合には、所在不明として扱うことができず、清算人の調査や清算人の選任申立をする必要があります。閉鎖から20年経てば必ず廃棄されるというわけではなく、廃棄されずに倉庫に残っていたりすることもあるので、この場合には「お願いだから廃棄してて」と願うことになります。
弁済供託をする金額が小さい場合であれば、この供託手続きを利用した抹消登記手続きによって、古い休眠担保権を抹消することができますが、比較的最近(といっても昭和年代)の休眠担保権の場合、債権額が数百万円になるような場合もあり、そのときには供託による手続きを利用することは現実的ではありません。
このような場合には、④の判決による抹消登記をする方法を採用することになります。
これについては別の記事でご説明させていただきます。
なお、弁済供託を利用した抵当権の抹消手続きの場合、当事務所の平均的な司法書士費用は5万円(税別)です。司法書士費用のほか、登録免許税、供託金、謄本取得費がかかります。
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